【長編】私とあなたは、恋をしない。
けど、逃げることのできない現実。


周りは日々変化して。


私と晋平は、変わらないことに必死で。


晋平、私は行くよ。


「りぃ、ごめんな。」


瑞希が突然、私に謝った。


「なにが?」


私には、なんのことかわからなかった。


「牧野とりぃって、幼なじみ以上だろ?」


なにを言い出すんだろうか?


「俺、りぃと牧野を引き離したくて必死だった。」


なんとなくわかった。


最近の策略かな?


「私、気づいてたのに流されてたよ。」


「えっ?」


瑞希は、驚いたみたいで私から離れた。


「瑞希。
私と晋平はね。
どうやったって姉弟みたいな幼なじみにしかなれないんだよ。
瑞希が心配になることなんて何もできないから安心して。
それは、瑞希だけじゃなくて、私と晋平の両親を苦しませることだから。」


確信は、言えなかった。


だって。


私より晋平がかわいそうだから。


両親だって。


秘密といいながら、私と晋平の意志で誰かに話すのは、許してる。


私は、晋平の意志で話さない限りは、秘密にする。


これは、私と晋平にとって、暗黙の了解だ。


私が勝手に思ってるだけかもしれないけど。
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