【長編】私とあなたは、恋をしない。
「確実に逃げてたから。」


「私だって、逃げてた。」


私と晋平は、同じ。


やっぱり、姉弟や兄妹みたいな関係なんだね。


「けど、もう逃げるわけには行かないんだよな。」


「うん。
現実を受け入れて、話したいよ。」


晋平は、目を見開きながら私を見た。



「やっぱり、同じ事考えてた。」


晋平は、優しく笑った。


「やっぱり、晋平も?
そうだと思った。」


「一応、両親には言わないとな。」


「あの人たち、無視するとめんどくさいからね。」


私は、私と晋平の両親を思い出し苦笑い。


「あぁー。
子供からの疎外感がたまらないらしいからな。」


ちょっとした重要な事が周りからバレたときの大変さ。


あれは、ありえない。
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