【長編】私とあなたは、恋をしない。
「それで、話しって?」


晋平のお母さんがにこやかに聞いてくる。


てか、案外すぐに報告の席は、設けられた。


なんか、よくわからないけど高級感たっぷりのレストランの個室。


私たちに似合わない気がするんだけど....


「てか、なんでこんな場所なわけ?」


晋平が、呆れてふてくされてしまっている。


「だって、いい報告なんでしょ?」


なおもにこやかに聞く晋平のお母さん。


てか、両親達は、なんだかんだでわかっているのかもしれない。


「まあな。
俺たち、それぞれに恋人ができた。」


あっさりと晋平が答えた。


それを聞いた両親達は、ほっとしたような安堵した顔だった。


一度は、道を誤りそうになったから。


不安だったのかな?


よかった。


両親達にもうあんな顔をさせたくないから。


私と晋平を犠牲にするのも悔やんでいるようだったから。
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