【長編】私とあなたは、恋をしない。
マンションを出るなり、うろうろしている若菜がいた。


「若菜?」


俺的にかなり拍子抜け。


「晋平くん」


若菜は、ほっとしたのか俺に駆け寄り抱きついてきた。


かわいい。


ホント思う。


庇護欲に駆られるなんて。


俺は、若菜から抱きついてくるなんて、そうそうないから抱きしめ返した。


「若菜、今度からは迎えに行くから。」


「えっ?
だ、大丈夫だよ。
今日は、たまたま。」


若菜は、驚いて俺から離れようとした。


けど、俺はそんなの許さない。


イチャつける時にイチャイチャしたいから。


「俺が、不安だから。」



「今は、いいかもだけど。
絶対迷惑になる。」


先が不安.....か。


「安心しろ。
こう思う相手は、若菜しかいないから。
その先、変わることはない。」


「じゃあ、飽きられるまで甘える。」


若菜は、よりいっそう抱きついてきた。


若菜ってこんなキャラ?


ドジっこキャラなんだけど。


天然って、怖い。


計算されてないから、反応がよすぎる。


ヤバい。


これ以上、好きにさせるなよ。


深みにはまったら抜け出せない。


そんな事が頭を過ぎった。
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