【長編】私とあなたは、恋をしない。
「わかった。
じゃあ、聞いて。」


「結論から言うよ。
俺と珠李は、半分血がつながってんだ。」


私が話を切り出そうとしたら、晋平が言った。


「血がつながってる？」


若菜ちゃんは、私と晋平を交互に見ていた。


瑞希は、ビックリして目を見開いていた。


「不倫とかそんなんじゃないよ。
結果的にそうしなければ、晋平はこの世に産まれなかった。」


「牧野が産まれなかった？」


瑞希は、眉間に皺をよせた。


「俺の父さん、無精子症でさ。」


晋平は、言いづらそうに言った。


「晋平の両親はね。
すごく子どもを望んでた。
けど、なかなかできなくて。
だから、検査を受けたの。
そして、晋平のお父さんが無精子症だって。
それを私の両親に相談したの。
私のお父さんと晋平のお父さんって、中学からの親友なの。
それでね。
なにをどうなって、そうなったかはわからないよ。
結論的にはそうするしかなかったの。」


私は、あの日の事を思い出しながら話した。
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