【長編】私とあなたは、恋をしない。

やべぇー。


感傷的になってしまった。


「晋平には、全く女の陰がないわけじゃないんだな。
よかった。
晋平も普通の男で。」


何を言い出すんだ？


俺は、もとから普通の男だ。


バスケを必死なのは、珠李のため。


何もかもが、珠李に繋がるんだ。


けど、見つけなければいけない。


珠李以外を。


悲しい現実。


あの日の幸せが戻ってきて欲しい。


あの時のまま、時間が止まって欲しい。


そしたら、一時間だけでも幸せだった。


あんな幸せな時間は、もう来ない。


どうして....


けど、そんなん考えてたら俺自体が存在しない。


ただ、珠李のそばにいれるのは、幸せなのかもしれない。


そう思わずにはいれない。


それが、唯一の幸せ。


これから先、愛を囁ける相手に出会えるかわからない。


ただ、希望の兆しは見えたから。


だから、大丈夫。