【長編】私とあなたは、恋をしない。
「ねぇ〜。
晋平くん。」


教室に入ると同じクラスの女子に話しかけられた。


名前、なんだっけ?


「なに?」


「昨日の試合、見に行ったんだけど.....」


「そっ?
で?」


「あの日向の子って、彼女なの?」



またかよ。


どうでもよくない?


「それは、君に関係なくない?」


「でも、私....」


俺を好きとか言うわけ?


ここで?


「晋平、かわいそうだろ。」


佐助か。


「なにが?
俺には、関係ないよ。」


「晋平、わかってるか?
彼女、一応、学年1とも言われてる真田 亜希子だぞ。」


小さい声で彼女に聞こえないように言った。


学年1?


彼女より珠李のがきれいでかわいいぞ。


あぁー、だから日向は、レベルが高いのか。


彼女程度の女の子は、日向にいっぱいいるみたいだしな。


珠李が、言ってたな。


『かわいい子がいっぱいだから、平凡な私は気後れするよ。』


珠李は、かわいいのに。


自覚してないだけか。
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