【長編】私とあなたは、恋をしない。
「瑞希って、レギュラー?」


「当たり前だろ。」


瑞希は、呆れたように私を見た。


「珠李。
瑞希くんは、エースよ。」

泉。


さっきは、晋平にしか興味なさげだったのに。


バッチリ、バスケ部は、チェックしてるんじゃん。


「そうなんだ。
がんばってね。」


本当は、瑞希を精一杯応援したい。


けど、心の中では、晋平を応援してる。


それは、心の中での彼氏彼女ってのもある。


けど、それよりも。


晋平の弱さを知ってるから。


晋平から、バスケをとったら、壊れてしまう。


今も壊れてる。


晋平を少しでも強くしてくれるのは、バスケだから。


バスケの練習試合とはいえ、晋平がでたら、晋平しか応援しない。


私は、決めたんだ。


私には、そんな事しかできないから。


「応援、してないだろ。」


瑞希は、不安げに聞いた。


「なんで?」


ビックリした。


見抜かれた?


けど、言葉にしたじゃない。


晋平の応援は、言葉にしないから。


「なんとなく....」


瑞希は、なんか悲しそうだった。
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