【長編】私とあなたは、恋をしない。
「今日は、一人千円で飲み放題に食べ放題の歌い放題だからな。」


話を変えるようにおじさんが言った。



「そんな安くていいの?」


「まあ、一応、繁盛してるからねぇ〜。
それに甥っ子にサービスするぐらいは当然だろ?」


だったら、ただにしてって感じだけど。


総勢12人だから、無理だよね。


でも、ランチするだけで千円ぐらいだからだいぶ安くて助かる。


学生は、お金ありませんから。


「てか、ほかの女の子はまだ来ないのか?」



このおじさん、何を期待してんだか。


「変な目で見ないでくださいよ。」


おじさんって言っても、27歳。


一応、二十代だ。


ありえなくはないよね。


けど、そんな目で友達をみてもらいたくない。


晋平に言わなきゃ。


そして、おばさんに伝わるといいんだわ。
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