【長編】私とあなたは、恋をしない。
「絵里、お願いだから話を聞いてよ。」


打って変わって、下手に出てるよ。


なんか川野くんがかわいそうになってきた。


てか、ここに来た時点で絵里ちゃんが大事なのね。


「私、海に言ったよね?
嘘は、嫌いって。
守れないなら、最初から約束しないでよ。」


絵里ちゃんって、ある意味心が広いんだ。


しかも、浮気じゃないのに女の子といるのを秘密にして嘘ついたのか。


なんか、絵里ちゃんって普通の女の子と観点がズレてるかも。


「絵里ちゃん、話ぐらい聞いたら?」


このままだとヒートアップしそうだし。


「そうね。」


絵里ちゃんは、周りを見渡して冷静になったみたい。


「開いてる部屋あったら、使いなよ。」


晋平が、思いついたように言った。


「ありがとう。」


絵里ちゃんは、ため息をついて川野くんの腕を掴んで部屋をでた。
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