愛することを教えてください
第1章
未来のない道
「──…今日はありがとう。
30000円、置いとくから」
そう言って、斉藤さんはベッドの隣の小さなテーブルに諭吉を3人置いた。
「…って、唯ちゃん寝てる(笑)
じゃ、バイバイ♪」
斉藤さんは、寝たふりをしてるあたしに軽くキスをした。
ガチャッと、ドアが閉まる男がした。
斉藤さんが部屋から消えたと確信すると、あたしはダルそうに身体を起こした。
ふと、ベッドの横の諭吉を見た。
諭吉を見るたびに、今までの行為を後悔する。