愛することを教えてください
キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン…
3時間目の終了を告げるチャイムが鳴った。
私は荷物をまとめた。
「え、唯?」
亜利沙がこっちを見ながら言った。
「ごめん、帰るわ」
「は?」
「先公や生徒からは変な目で見られるし
第一学校つまんないし。
いてもしょうがないよ」
「そんなことない。
ね、せめて今日だけはずっといよ?」
「したいことあるし」
とくにないけど。
「唯ー…」
亜利沙は必死に食い止める。
ごめんね。
「バイトだってあるし」
ないんだけど、
「じゃ、サボればいい」
目の前には小太郎がいた。
「いろよ」
小太郎がまっすぐな目で言う。
あたしは反論出来なくなって、うなずいてしまった。