愛することを教えてください
    

「───…ゆーいっ!

 一緒帰ろうよ!」



「あ、うん」



小太郎のせいで結局最後までいてしまった。



調子狂うなー。




「俺も帰る~♪」



でた、小太郎。



「亜利沙、いいでしょー?」



「うんっ」



「では、れっつごー!」



あたしには許可とらないんですか。




「こたっちー、今日美希らと
 ケーキバイキング行く約束じゃーん」



「それどーなったの~?」



「…あ、やっべ」



「こたっち、忘れてた系!?」




小太郎は学年女子の中心的な存在
有明美希たちと喋ってる。



有明美希は常メイクバッチリ
茶髪のふわふわヘア、ザ・今時って感じ。



ギャル雑誌の読者モデルをやってる
って噂を聴いたことがある。



有明美希を怖れている
生徒も多くない。



ま、きっとあたしを怖れている
生徒の方が多いと思うんだけどさ(笑)




「こたっちー、行こっ?」



「ごめん、明日行こう」



「はあ? ちょ、意味わかんなーい
 美希の方が先じゃんか」



「久しぶりに唯が学校来たから…
 まじごめん!」



「絶対明日だからね~?」




有明美希はぶつぶつ言いながら
去っていった。




「お気にだからって、調子のるなよ」




すれ違った瞬間、
有明美希がボソッと言ってきた。



なにあれ。




< 19 / 23 >

この作品をシェア

pagetop