あいらぶゆー
コンコン ガラッ――――
「失礼します。
1年D組の鷹嶺です。
田崎先生いらっしゃいますか」
近くに居た先生が田崎先生を
呼んでくれた。
「っ!…お〜 どーした?」
「部活動の事聞きたくて。」
「あ、あぁ。部活な!お前も
ヴァイオリンやってるのか?」
ヴァイオリン…?
お前もって何で?
「いや、違います。
…けど、お前もって…」
もしかして知ってるの?
「先生… お姉ちゃんを
知ってるんですか?」
あたしには姉弟がいる。
6才上の姉と2才下の弟。
姉…というかあたしの家族は、
母は元ヴァイオリニスト、
今では講師。
父は元空手選手、
今では師範。
姉は母を、弟は父を、
受け継いでいる
あたし以外の家族は
超がつくほど有名だ。
あたしはというと
ヴァイオリンも空手も
そこそこ出来はするけど
本格的にやってる
お姉ちゃんや弟には
やっぱり適わない。
お母さんもお父さんも
無理矢理これをやりなさいとか
あれをやりなさいとか
押し付けるわけじゃない。
自分のやりたいことを
精一杯好きなだけやりなさい。
と言ってくれた。
その言葉通りあたしは
憧れていた弓道を
小さい頃から習っている。
弓道だけはお父さんにも
お母さんにもお姉ちゃん、
弟にも絶対負けない!