恋する心は“あなた”限定
神社の参道は、露店が立ち並んでいて賑わっている。
みんな楽しそうに露店を見たり、食べ物を買ったりしている中、私は空守君に手を握られながら俯き加減で歩いていた。
「包海、あんまり下向いて歩いてると、人にぶつかるぞ?」
「あっ…はい、ごめんなさい…。」
パッと顔を上げると、前から背の高い男性二人が歩いて来ていた。
わっ…!
ぶつかっちゃう…!
そう思った瞬間、空守君が握っていた私の手を引っ張って、ぶつからないようにしてくれた。
「大丈夫だったか?」
「はい。ありがとうございます…。」
空守君の目を見ずにコクンと頷く。