恋する心は“あなた”限定

空守君と再び参道を歩いていると……


「お〜い!由優!もう来てたんだな!」


突然声がして、そちらに顔を向けると、お父さんがニコニコしながら手を振って呼んでいた。


「お父さん…!そんなに大声で呼ばれると恥ずかしいよ…。」


「そっか、ごめんごめん!なんか呼び止めないと、通り過ぎていきそうだったからさ!」


お父さんは、ハハハ…と頭を掻きながら笑った。


た…確かに、お父さんの言う通りかも。


空守君と繋いでる手に全神経が集中してるから、大声で呼ばれなかったら、あっさり通り過ぎてただろうな…。



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