恋する心は“あなた”限定
「よぉし!完成!ほら由優、少し大きめに作ったから、彼氏と仲良く食べろよ!」
私の主張なんて聞く耳もたずのお父さんは、綿あめをヒョイッと私にくれた。
だから彼氏じゃないのに…。
そう思いながら顔よりも大きい綿あめを受け取った。
「ご…ごめんなさい、空守君。お父さんが変なこと言ってしまって…。少し酔ってたみたいなので、あんまり気にしないで下さい。」
綿あめの露店を離れると、私は空守君にすぐに謝った。
はぁ…。
もう最悪…。
空守君、帰りたくなっちゃったかもしれないなぁ…。
「包海の父さん、変なこと…言ってたか?」