恋する心は“あなた”限定

「大丈夫か?」


私が体を起こすと、空守君の手は…


ぶつけた頭のところに伸びる。


「そ…空守君!?いいよ、大丈夫だよ!私の不注意でぶつけただけだし、大したことないんだから。」


ニコッと笑ってみたけど、空守君は、ぶつけた部分に優しく手をのせた。


「本当に痛くねぇの?」


すごく心配そうな表情に、ギュッと胸を掴まれたような気持ちになる。


「大丈夫…。本当に痛くな……きゃっ!」


空守君は、朝比奈先生がいる…というのに、私を抱き寄せた。



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