恋する心は“あなた”限定
そして放課後。
「由優!」
保健室に入ろうとすると、空守君が駆け寄ってきた。
「や…やっぱり来たの?」
とりあえず、周りに生徒がいないかどうか確認をしながら小声で聞いた。
一応、お昼休みの時に、“一人で大丈夫だから、空守君…帰ってもいいからね”と、やんわり、さり気なく言っておいたんだけどな…。
「嫌そうだな…。そんなに一人で居たい?」
「あ、いえ……。そんなことないけど、空守君に無理に付き合ってもらってるんだったら、申し訳ないから…。」
「無理してねぇから、申し訳なさとか感じたりすんな。」
ポンポンと頭を撫でた空守君は微笑んだ。