恋する心は“あなた”限定
「クラスメイトの男の子と先に勉強始めたようだし、後から来た俺が邪魔しちまったみたいだから、今日は帰るよ。由優も…今、断ろうとしてたんだろ?」
雅お兄ちゃんを見ると、ニコッと微笑んでいた。
「じゃあな。今度は分からないとこあったら、俺が教えてやるから。今までみたいに遠慮なく俺の家に来いよ?」
「うん…。ご…ごめんね、雅お兄ちゃん。わざわざ生徒会、早く終わらせて来てくれたのに…。」
雅お兄ちゃんは、保健室の入り口まで行くと一度、足を止めた。
「…もう“お兄ちゃん”って呼ぶの止めろよ…。」