恋する心は“あなた”限定
それでも俺は…[side理緒]
「英語しか出来なかったな。」
「……そ、そうだね…。」
結局、勉強は殆ど出来なかった。
あの“雅お兄ちゃん”っていう人が保健室から出ていった後…
由優の腕をしばらく離せずにいた。
離したら、由優がアイツのことを追いかけて行くんじゃないか…って怖かったんだ…。
俺は、ただただ由優の目を見つめていた。
そのうちに保健の先生が帰って来て…
俺と由優は何となく勉強をする…という雰囲気にもなれず、片付けをして保健室から出てきた。