恋する心は“あなた”限定
溜め息をつきながら、また机に突っ伏した。
「由優ちゃん、何があったのか知らないけど、元気出してね!」
朝比奈先生は、ポンッと私の肩を軽く叩いた。
「はい……。」
力なく返事をしていると、廊下を走ってくる音が聞こえた。
「あ!もしや…」
朝比奈先生は心当たりがあるようで、何だか声が弾んでいる。
誰だろう…?
そう考える時間なんて、ほとんどないまま、扉が勢いよく開く音が耳に入ってきた。