恋する心は“あなた”限定
「ち…違うの!何かされたとか…そういうわけじゃないから!」
首を振って否定したけれど、空守君の機嫌は、ますます悪くなっていく。
「由優に手は出さない約束で、俺は保健室から出たんですけど。」
雅お兄ちゃんを睨む空守君に、もはや私の声は届いてない様子…。
どうしよう…
一人でオロオロしていると、雅お兄ちゃんが私の肩に手を回してグイッと引き寄せた。
「そんなに疑いの眼差しで見るなよ。でも何言っても、どうせ疑われるんなら……」
「ひゃっ!」
驚きのあまり、変な声が出てしまった。
雅お兄ちゃんの唇が、私の頬に触れたから…。