恋する心は“あなた”限定
あれは…6歳の春頃だったな…。
小学校に入学してウキウキ気分だった私は、帰り道、桜を見上げながら鼻歌唄って歩いてたんだよね…。
これから、たくさん友達が出来るといいなぁ…なんて思いながら…。
でも、桜に見惚れすぎて足元の石に気付かなかった私は、つまづいてしまい見事に転倒。
スカートだったから膝を擦り剥いちゃったんだ…。
血は出てくるし、痛いし…それまでの楽しい気持ちは一気に吹っ飛んでいった。
その場で体育座りして、傷口を見ながら涙を零していると、急に目の前に誰かがしゃがみ込んできたんだ…。
誰だろう…と思って、ふと傷口を見ていた視線を上げると、私と同い年くらいの男の子だった。
そう…その男の子が理緒。
それが…理緒との初めての出会いだったんだ…。