恋する心は“あなた”限定

“ケガしたのか…?”


そう聞かれて、私はコクンと力なく頷いた。


こんなところ…男の子に見られちゃったし、からかわれるんだろうな…って思ったんだけど…


理緒は無言で、ランドセルやポケットを探りはじめた。


何してるんだろう…?


その行動の意味が分からず凝視していると、理緒はランドセルの中から何かを取り出した。


その手を見ると、持っていたのは……絆創膏。


“これ貼るから、動くなよ?”


優しい口調で言うと、ピッと剥がして絆創膏を傷口に丁寧に貼ってくれたんだ…。



< 308 / 420 >

この作品をシェア

pagetop