恋する心は“あなた”限定

私はその光景に、泣くのも忘れて見入っていた。


まさか手当てしてくれるなんて、思ってもみなかったから…。


絆創膏を貼り終えた理緒は、私の顔を見ると頬につたった涙の跡を指でサッと拭ってくれた。


“もうだいじょうぶ。すぐに治るよ、きっと。”


そう言って満面の笑みを浮かべてくれた理緒に、私の心はドキンと高鳴ったんだ…。


この時…
私は優しい彼に恋に落ちたんだよね…。



< 309 / 420 >

この作品をシェア

pagetop