恋する心は“あなた”限定

少し経つと、由優はジタバタするのを止めて大人しくなった。


「理緒…何かあったの?保健室に入ってくるなり、いきなり強く抱きしめられるのって、初めてだから…。」


俺を見上げながら話す由優の瞳は不安そうに揺れる。

「毎日、由優の傍に居れねぇのがキツい。あと、お前の隣にいる男の行動がかなり不安。」


時間が経てば経つほど、由優が恋しくてたまらなくなる。


もちろん、こうして会ってはいるけど、席が隣なら…もっと由優と一緒にいられる。


しかも、俺が隣にいれば男が寄り付く不安だって殆どなかったからな…。



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