恋する心は“あなた”限定
中に入ると、美味しそうな匂いがフワリと漂ってきて鼻をくすぐる。
「今日は久しぶりに、手作りのロールキャベツ作っちゃった…!どう?なかなか良い感じに出来たと思うんだけど…。」
「うん!いい感じ!でも、かなり久しぶりだよね?急にどうしたの?」
お皿に盛りつけているお母さんに聞くと、ニンマリと笑いながらテーブルの隅に視線を向けた。
そこには、少し色褪せた水色のノートが置かれている。
「ちょっと部屋を整理してたら、あのノートを見つけてね…。開いたら昔メモした色んなレシピが詰まってたから、何だか懐かしくなって作ったの。」
「そうだったんだ…。」
私は、水色のノートを手に取るとパラパラと捲ってみた。