恋する心は“あなた”限定
理緒、夏祭りの時に綿あめも食べてたし、甘いものは嫌いじゃなさそう。
よし、これに決めた…。
前にこれを作った時は理緒にフラれちゃって、渡せずじまいだった。
そう、私が告白した理緒の10才の誕生日の日…。
フラれた後、教室に戻った私は、流れてくる涙をゴシゴシこすりながら、カップケーキとクッキーが入った紙袋をランドセルの中に押し込めたんだっけ…。
あれ以来、思い出すのが辛くて作るのは避けてきたけど……
今は…大丈夫。
あの日よりも美味しく作って、理緒に手渡そう…。
“誕生日おめでとう”っていう言葉や笑顔と一緒に…。