恋する心は“あなた”限定
放課後、周りを取り囲む女子たちの間を割いて、保健室へと走った。
今日は…いるだろうか…。
…っていうか、いて欲しい。
そう祈りながら、保健室にやって来たけれど、そこに由優の姿は無かった。
「あら、空守君…!残念。今日も由優ちゃんなら来てないわよ?」
「…そうみたいですね。」
キョロキョロと入り口の所で部屋の中を隈無く見回した。
家に帰った…ってことだよな、多分…。
保健室の扉を閉めると、ガックリ肩を落としながら学校を出た。