恋する心は“あなた”限定

「なあ、瞬太。ちょっといいか?」


俺は休み時間に瞬太を空き教室に呼んだ。


どうしても事実確認だけはしておきたい。


そう思った。


「どうしたんだよ。真剣な顔して…。何かあったのか?」


瞬太は、不思議そうに首を傾げる。


「お前が由優のこと、抱きしめた…って、本当?」


率直に聞くと、穏やかな笑みを浮かべていた瞬太の表情が硬くなっていく。


あの話が嘘とかデタラメじゃなかった…っていうのが直ぐに分かった。



< 370 / 420 >

この作品をシェア

pagetop