恋する心は“あなた”限定
「なあ、瞬太。ちょっといいか?」
俺は休み時間に瞬太を空き教室に呼んだ。
どうしても事実確認だけはしておきたい。
そう思った。
「どうしたんだよ。真剣な顔して…。何かあったのか?」
瞬太は、不思議そうに首を傾げる。
「お前が由優のこと、抱きしめた…って、本当?」
率直に聞くと、穏やかな笑みを浮かべていた瞬太の表情が硬くなっていく。
あの話が嘘とかデタラメじゃなかった…っていうのが直ぐに分かった。