恋する心は“あなた”限定
わっ……
雨降ってきちゃった…。
空から次々と雨粒が零れて、景色を濡らしていく。
こんな時に雨だと、余計に気持ちが沈む。
早く理緒の顔が見たいな…。
そうだ…。
ちょっと教室に戻ってみようかな…。
まだ女の子たちに囲まれているままかもしれないけど、ここでジッとしているよりは、マシかも…。
チラッとでもいいから、理緒のことを見れれば、ホッと出来るような気がするんだ…。
私は、カバンとクリーム色の紙袋を持つと、保健室を出て教室へと向かった。