恋する心は“あなた”限定
少し私たちの間に静かな空気が流れた。
理緒……
怒ってる…?
それとも、私みたいな奴…面倒くさい…って思ってるかな…?
私はアスファルトを見つめたまま、流れる涙をすすっていると、理緒の方へと体を向けさせられた。
私の目線に合わせるように背を屈めた理緒の指は頬に触れる。
切なそうに眉を下げながら、真っ直ぐな瞳が濡れた前髪の間から私を見つめていた。
「ごめん…。せっかく由優はプレゼント用意して、ずっと保健室で待ってたのに…。何モタモタしてたんだろうな…俺。本当にごめん…。」
いつもとは違う、震えた理緒の声に胸がいっぱいになる。
あんな言い方したのに…
優しすぎるよ…理緒。
温かい声と言葉に、素直な感情が一気に込み上げてきた。