恋する心は“あなた”限定

「理緒……私もだよ…?」

突然の由優の小さな声に、俺は髪に絡めていた指をほどいた。


「私も、あの日に…恋したの…。膝のケガを手当てしてくれた後、満面の笑みを浮かべながら“すぐに治るよ”って言ってくれた理緒に…。」



「えっ…、そうなのか?」

赤かった由優の頬は、ますます赤くなる。


「うん…。」


潤んだ瞳で見つめながら微笑みを浮かべられて、俺の心臓はバクバクと大きな音で鳴り響く。


あの時のこと…
由優も覚えてたんだ…。


好きになったキッカケも同じだったなんて…


めちゃくちゃ嬉しい。



< 410 / 420 >

この作品をシェア

pagetop