恋する心は“あなた”限定
「理緒……私もだよ…?」
突然の由優の小さな声に、俺は髪に絡めていた指をほどいた。
「私も、あの日に…恋したの…。膝のケガを手当てしてくれた後、満面の笑みを浮かべながら“すぐに治るよ”って言ってくれた理緒に…。」
「えっ…、そうなのか?」
赤かった由優の頬は、ますます赤くなる。
「うん…。」
潤んだ瞳で見つめながら微笑みを浮かべられて、俺の心臓はバクバクと大きな音で鳴り響く。
あの時のこと…
由優も覚えてたんだ…。
好きになったキッカケも同じだったなんて…
めちゃくちゃ嬉しい。