恋する心は“あなた”限定
「雨に濡れて冷えたし、早く温まるためにも…帰ろっか、俺の家に。」
サラッと言ったつもりだったけど、由優はビックリして固まってしまった。
「り……理緒の家に行くの?」
ぎこちなく聞き返す由優の声は緊張しているような感じだ。
「だって、もともと今日は保健室で会う予定だっただろ?それに、俺の誕生日だから由優と一緒に過ごしたい。」
ここまで気持ちが高まっているっていうのに、由優を直ぐに家に帰したくなんかない。
なんなら…泊まってもらっても一向に構わねぇし…。
真剣に……でも穏やかな声で由優に訴えかけると、少し間があったものの、首を縦に振ってくれた。