恋する心は“あなた”限定

そ…そうだ。とりあえず、席替えしたわけだし挨拶…しておこう。


俺は何とか気まずい空気を変えようとして自分の名前を伝えた。


おそらく由優は俺の名前を知ってるだろうし、入学して月日も経ってるんだから自己紹介なんて普通はしないかもしれないけど……


もっと由優の声を聞きたかったんだ…。


少し間があったから不安になったけど、ちゃんと言葉を返してもらえた。


透き通るような優しくて穏やかな声で。


久しぶりに聞くことの出来た声に嬉しさを感じつつも、少し寂しさを感じてしまった。


俺のことを“空守君”って呼んだ由優に…。



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