恋する心は“あなた”限定
何も言えないままの私は、視線も下へと自然に向けてしまった。
こんな時、何でもいいから言葉を返した方がいい…?
黙り込んだら、空守君だって困るよね……。
「雨……降ってきたな。」
空守君は、私の机に半分だけ身を乗り出すようにして窓の外を見つめた。
俯き加減だった私の視界に、突如、空守君の腕が映り込んできて、驚きのあまり顔をパッと上げた。
だけど顔を上げた私の目に映るのは空守君の横顔のアップ。
ドッキンと勢いよく心臓が跳ねた。