恋する心は“あなた”限定

「そういえばさ…、なんで行かねぇの?花火大会。」

お昼を食べ終わった後、思い出したかのように空守君が聞いてきた。


「ちょっと都合が悪くて…。」


「都合?なんかあるの?」

空守君は隣から少し顔を覗き込む。


それだけで、心臓が跳ねまくってしまった。


「近くの神社で小さなお祭りがあって…そこに行くんです。小さい頃から毎年行ってるので、今年も…。」

地区のお祭りだから、参加してねって、お母さんたちや近所のおじさん、おばさんにもお願いされてるんだ…。



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