スーパーマン
俺は目が飛び出てしまうんではないかってぐらい目を見開いた。
あの子も、同じことを言っていた。
――空って大きいから、自分の悩みなんてちっぽけに見えてこない??
って…。
『俺も同じ。』
あの子が、
あの子がそう言っていたから、
俺は悩みがあると空を眺めた。
空が好きになったんだ――。
「廉。」
鈴が遠慮がちに俺の名前を呼ぶ。
けれども、目だけはしっかりと俺を捉えていて…、
なんだか全てが見透かされそうで怖かった。