スーパーマン


俺は勢いに任せて、鈴に悩みを言ってしまおうと口を開いた。


いや、正確には口を開きかけた、かな。


だって俺は結局、鈴に悩みを打ち明けることはなかったんだから。



言おうとした時、頭によぎったんだ。


思い出したくもない、

あの光景が。


俺は勢い余った口を静かに閉じた。


人を、
女を、
簡単に信じてはいけない。


あの時、学んだじゃないか。


鈴と話していたら…、すっかり忘れてた。



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