スーパーマン


はぁ。


あたしは心のなかでため息をついた。


せっかくのコンサート。


楽しいはずなのに、全然楽しくない。


むしろ、廉が遠い人だということを実感しただけ。



あたしは、


このホールにいる女の子の、

何倍もいるファンの中の、一部なんだ。


きっと廉にとってあたしは、何万人もいるファンのなかの1人にすぎない。



あたしはうちわを振るのも忘れて、廉をボーっとみてた。


なんだか涙で視界が霞んでいた。














< 83 / 252 >

この作品をシェア

pagetop