the Language of Floweres



紫乃を悲しめたくない。

でもこれ以上この場にいれば、



間違いなく俺は

言わなくていいことを




言ってしまう。



「そうやって姉貴面すんのやめろよな。今日はもう部屋に戻る。」



そう言って立ち上がれば
紫乃の部屋を出て行こうとする。




紫乃がどこか泣きそうな声で



「紫蘭…」



と、俺の名前を呼ぶ。




そういうのも


全部俺のものじゃないなら






いらない。








「ごめんね」



呟かれた言葉に




気づかないフリをして






紫乃の部屋から出て行く。
< 12 / 16 >

この作品をシェア

pagetop