白の世界~last love~
…耐えろ。
「しゃべるの?」
「まぁ…普通に?」
「へー…どんな話?」
「本のこととか…まぁいろいろ!」
「何!?そのこヲタクなの??」
…耐えろ…耐えろ。
「別にそーゆーんじゃないけど…まぁ変わってるかな?」
「マジ!?話してみたーいっ!!」
「迷惑だって!もう寝てるみたいだし。」
「えー??でもさっき音聞こえたもん!起きてるって!!あのー!起きてますー?」
あえて無視。
だってめんどくさいし。
「無視?ありえないんですけどー!!」
…耐えろ…耐えろ…耐えろ…。
「うちらが健と話してんのに妬いてるんじゃん?かーわいー♪」
…耐えろ…耐えろ…耐えろ…
「平気だからこっちおいでよー?一緒に話そー!!」
「まだ無視とか超ウザいっ!」
…耐えろ…耐え…られないなぁ、そろそろ。
あたしは頭に怒りマークを浮かべ、布団を剥いでカーテンを思いっきり開けた。
今まで無視してきたのにいきなり出てきたからビックリしたのだろう。
あいつの周りにいたみんながこっちを見た。
「あたしが同室の女ですけど何か?てか着替えを見られたこともないしヲタクでもないから。勝手に話に巻き込むのやめてもらえます??…都筑健。あんたも人のこと勝手にいろいろ話さないでくんない?超迷惑だから」
あたしは一気にそれだけ言うと思いっきり部屋のドアを開けて病室を出て行った。
病室に少し耳を傾けると案の定あたしの悪口が聞こえてきた。
「何!?あれ!!超ウザい!」
「性格悪くね??最悪っ!」
「え~でもかなりかわいくなかった?俺結構タイプ♪」
「はっ!?趣味悪~。顔がかわいくても性格不細工とか最悪じゃん!」
とかなんやら…。
しかもまだ続きそうだしっ。
あたしは永遠と続きそうなその会話にイラッときて思いっきりドアを蹴ってやった。
まぁ…またうるさくなったのは無視しよう。
あたしはそのまま屋上へと向かった。
夜はまだ一回しか行ったことがない。
夜は少し肌寒いのに羽織るものも何もないけど…。
まぁいっか。
なんとかなると思うし。
そんなのんきな考えを持って歩き始めた。
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