白の世界~last love~
目が覚めたらいつもの見慣れた風景だった。
いつも見ている真っ白な天井。
あたしなんでここにいるんだろう・・・?
てか今何時?
「・・・起きた?」
声のするほうにゆっくりと首を向ける。
「都筑健・・・」
心配そうにあたしを見つめる都筑健の姿があった。
彼を見た瞬間あたしの頭に映ったもの。
それは・・・昨日のキスシーンだった。
「うっ・・・」
それを思い出すだけで頭がいたくなる。
そして認めたくは無いけれど・・・胸も痛むんだ。
「もう少し寝てた方がいいよ?2日ぶりに目が覚めたんだから・・・」
2日ぶり・・・?
あたしそんなに寝てたんだ・・・。
通りで頭も痛くなるはずだよ。
そう・・・久しぶりに起きたから頭がいたいんだよね・・・?
「鈴原さん呼んで来るから」都筑健が病室を出て行ってすぐチビたちが部屋に入っててきた。
「湊ちゃん起きたー!」
と優斗君。
「心配してたんだよー?」
と三月ちゃん。
「僕たちよりお兄ちゃんのが心配してたけどね!」
と夏騎君。
「ありがと・・・」
自然と笑みがこぼれた。
・・・ってゆうかちょっとまって?
お兄ちゃん・・・って都筑健のことだよね!?
「お兄ちゃんっておんなじ部屋の…お兄ちゃん?」
「そうだよ~」と答えたのはなぜか優斗君。

「僕たちも毎日お見舞いに来てたんだけど、お兄ちゃんはいつ見てもずっと湊ちゃんの隣にいたよ?」

……どういうことだろう?
いつも隣にいた?
どうして?
あたしのことを心配するの…?
まぁそりゃ同室だし?
心配しないのも薄情な人だとは思うけど…。
ずっとあたしの隣にいたってところがすごく気になる。
「湊ちゃんー?大丈夫??」
三月ちゃんがあたしのベッドに腰掛けて心配そうにしてた。
「…ううん!大丈夫だよ。お見舞いありがとね?」
にこっと笑っていうと3人は無邪気な笑顔を見せてくれた。
かわいいなぁ…って思う自分がいる。
都筑健といても発作起してばっかりだし…病室戻してもらえないかなぁ…。
そしたらあいつも一人部屋になるし彼女といちゃつき放題じゃん?
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