私こそ光る☆君 ~エレジー編~
――10分後。


「うーん、決まらない。でも候補は2つに絞ったから、彼らに決めてもらいましょう。カナちゃん、悪いけど明日の朝7時にまたここに来てくれる?」


『はい』



いつの間にか呼称が『カナちゃん』になってしまっている。

候補は2つ、か。

どんな人たちなんだろう?



「それから、これを」


ボールペンと共に、渡された書類。

契約書だ。



「よく読んで、さっき決めたあなたの名前を書きなさい」


目を落とすとそこには主に、これから私がシルバー†ムーン所属の男装アイドルとして活動する事、事務所はそれを全面的にサポートする事と書かれていた。


最後まで読み終わるとサインをし、拇印を押す。


たった今書いた署名、紅月光の文字が輝いて見える。



「忘れないでね。明日からカナちゃんは『カナちゃん』としてではなく、アイドルの『光』としてここに来るのよ。当然、明日も男装して男の子のように振舞ってもらいます」


こうして男性アイドル・紅月光としての生活がはじまった。


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