私こそ光る☆君 ~エレジー編~


えっ?

何で“おばあちゃん”じゃなくて“さくらさん”って呼ぶのかって?

そんなのあの人を“おばあちゃん”なんて呼べるわけないじゃない!!

呼んだらどうなるか……。


きっと嫣然(エンゼン)と微笑んで「奏? ちょっとこっちへいらっしゃい」と言われ……。


ひいっ!!

考えるだけで恐ろしい。


急に寒気を感じてぶるぶると身震いをする。



だいたい、あの人普通じゃないよ。

お母さんを30歳で生んだって言ってたから、実年齢は絶対70歳は超えているはず。

加えてずいぶんと前に『芸能生活60周年記念祝賀会』を開いているから、80歳近いはず。

それなのにピンピンしてるどころか、目の前のその人は、どう見ても35歳くらいにしか見えない。

多く見積もってもせいぜい、40歳といったところだろう。

そのせいで、表では“奇跡のさくら”、裏では“銀幕の大妖怪”という異名をとっている。

それでも正真正銘、私のおばあちゃん。


前に勇気ある雑誌の記者さんに“いつまでもかわらない、その美貌の秘訣は?”聞かれて、“日々の努力のおかげよ”と答えていた。

なんか、頭が痛い……。


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