私こそ光る☆君 ~エレジー編~
この時、私は肝に銘じた。


“何があっても志乃さんだけは怒らせてはならない”と。


私のまわりってなんでこう怖い女性が多いんだろう?

志乃さん、お母さん、さくらさん……。




「ドラマのこと聞きに来たのよね?」


『あ、はい。

どんなドラマなんですか?』



「ズバリ現代版、ロミオとジュリエットよ」


『……ええっΣ

ロミオとジュリエットって、あの“ああ、ロミオ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの?”のロミジュリですか!?』


「アハハっ!!

あなた本当に面白いわねっ」


興奮して思わずフリを入れてジュリエットの真似をしてしまった私を見て、志乃さんが豪快に笑う。



「そのとおりよ。

あのシェイクスピアのロミジュリ。

さっきも言ったようにあくまで現代版だけどね」



『それで僕の役は誰なんですか?』


「ウフフ。

聞いて驚かないでよ。

実は……」


志乃さんの次の言葉を待ってゴクリと唾をのむ。


『実は……?』


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