私こそ光る☆君 ~エレジー編~
「あ~あ、遥が大騒ぎしたせいで俺の楽しみが減ったじゃないか」


「うっせぇ。

お前らが隠してるのが悪いんだろっ」


あっ、完全にすねちゃった。



「おい、光……じゃなくて本当の名前何だ?」


『琴月奏』


クビだよね、きっと。

やっとこの仕事に馴染んできたところなのに……。


「そうか、琴月奏!!

お前も今度からは気をつけろよ。

鍵くらいかけとけ」


『えっ、秘密にしておいてくれるの?』


「いきなりお前がいなくなったりしたら、ファンが納得しないだろ?」


「そうそう。

僕もこのままがいい。

カナちゃん可愛いんだもん☆」


「言って面倒なことになるの嫌だ……」


「お前が女ってバレないように特別にフォローしてやる。

ありがたく思え」


『みんな、ありがと……』


みんなちょっと変わってるけどいい人だったんだ。



胸の奥が熱くなった気がした。



「おい、ボーッと突っ立ってないで早く来い!」


『えっ!?

あ~、ちょっとみんな待って!!』



秘密を共有し、レインガーデンの絆が深まったように思えた。

< 87 / 150 >

この作品をシェア

pagetop