私こそ光る☆君 ~エレジー編~
そう、遥の右手がつかんだのは私の頬ではなく、私の首筋に回されていた由依の腕だった。



「え~っ!!

やだっ!!

もっとイチャイチャしたいっ☆」



「バカっ!!

さっさと離れろっ!!」



「嫌なもんは嫌だっ!!

だって撮影に入ったら、僕くっつけないじゃんっ!!

遥ばっかりずるい~☆」


駄々っ子みたいにごねる由依。




『あ~あ、由依が弘樹役だったら良かったのに……』


何気なく口にした言葉。

これが間違いだった。



「はっ?

今、お前何つった?」


何やら癇に障った様子の遥。


『いや、だから“遥じゃなくて由依が弘樹役だったら良かったのにな”って』


そんな遥に気づかず、ふたたび禁句を口にする。

プライドの高い遥を激昂させて余りある言葉だった。


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