PRAY MACENARY


「霧野、いいのか?

突っ込んでくぞ。あのお嬢ちゃん。」

半ば呆れた声で霧野に時生の行動の是非を問いながら、舩坂はモニターに映し出された隼を眺めていた。

単騎で10機の敵に向かい急降下していく隼の姿は傍目から見れば牽制という枠はとうに外れ、最早、特攻というより自殺行為と捉えたほうが理解しやすい。

現に射撃武器を構えた敵機からは隼へ向け銃撃が開始されている。

「彼女にも事情があるのでしょう。

簡単に墜ちるとも思えない…今のところは予定通り行動を。」

霧野の言う通り隼は銃口から空に線を引く様に撃ち出された銃弾の雨の中をスルスルと縫うように飛び、撃墜される気配はない。

「発動したのね…AMRSが…。」

霧野は通信機のマイクに拾われないような小声で呟いていた。
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